もくじ

その他


■参考: 年齢による運営の違い



子どもたちの発言の仕方や話の聴き方、『かいぎ』への取り組み方などは、年齢や経験によって細かく異なる可能性があります。ここでは年齢による傾向を記しておきますので、ひとつの目安として参考にしてみてください。

第一世代: 2歳〜3歳:まずはレポート系で『かいぎ』の練習
第二世代: 4歳〜6歳:奇想天外な発想が飛び出す世代
第三世代: 小学校低学年・7歳〜8歳:学校頼りでない地域を巻き込んだ工夫も
第四世代: 小学校中学年・9歳〜10歳:社会的テーマを話す機会に
第五世代: 小学校高学年・11歳〜12歳:発言しない子が増えてくる
第六世代: 中学生:13歳〜15歳:子どもによるファシリテーションも
第七世代: 高校生:16歳〜18歳:活発な対話にこだわらなくても良い


(第一世代: 2歳〜3歳)
Point:まずはレポート系で『かいぎ』の練習

まだ言葉がうまく話せなかったり、長い間、椅子に座ってお話をすることにも慣れていないこの世代。

まずはレポート系で数分間、『かいぎ』の練習から始めるのがおすすめです。(『こどもかいぎ』の内容には3つの種類「RET」があります)

「何をして遊びたい?」とか「今日はどこの公園に行きたい?」など簡単な選択をしてもらうこともアリ。この場合、必ずしも円座になって座ることにこだわらなくても良いと思います。

抽象的な概念が育っていないことから、例えば、食べ物などの具体物を置いて「好きな食べ物は何?」と聴いてみたり、イラストや絵本を読み聴かせながら、進めてみるのも良いかもしれません。

子どもたちが話の内容を少しでも理解し、自分で考える機会を作り、表現する機会を作ることを目標にしてみてはいかがでしょうか。


(第二世代: 4歳〜6歳)

Point:奇想天外な発想が飛び出す世代

第一世代同様、長時間、椅子に座ってお話をすることに慣れていないので、トラブルが頻発する傾向にありますが、アイスブレイクを取り入れたり、ファシリテーションがうまくできると、意外にしっかりとした『かいぎ』ができます。

もしかしたら、最もファシリテーターの手腕が発揮できる世代、かもしれません。

レポート系、イベント系のほか、テーマ系を投げかけることも全く問題はなく、逆に、この世代だからこそ、映画のように奇想天外な発想が飛び出すなど、とても面白い『かいぎ』も期待できます。

必ずしも、子どもたち同士の対話にこだわらず、大人と子どもの対話によって、様々な発言を引き出しつつ、それを受け止めることができると、子どもの健やかな成長につながるかもしれません。


(第三世代: 小学校低学年・7歳〜8歳)

Point:学校頼りでない地域を巻き込んだ工夫も

まだまだ「対話」「話し合う」ということには慣れていませんが、すでに学校に通っているため、座り続けたり、自分が発言をすることに特に支障はなく、いろいろな質問やテーマをぶつけてみると面白いかもしれません。

また、学校で開催する場合、どうしても大人数になりがちです。人数が多いと、発言しにくいと言うデメリットが出てきますので、できれば、6人前後の少人数のユニットに分けて話し合うのが理想的。ただ、この場合には、全チームにファシリテーターをつけることが難しいため、先生がそれぞれを回りながら見る「難行」に取り組んでいただくことになるかもしれません。


その場合、「地域先生」のような形で、地元にいるファシリテーターの方をお呼びして、この時間帯だけ『かいぎ』のファシリテーションをしてもらっても良いですし、地域の有志が家や公共施設などで『かいぎ』を開催するような社会になると良いなぁと願っています。




※ 小学生以上になり、文字が読めるお子さんが多いようであれば、Q ワードカードやワードシートを参考にするのも一つかもしれません。
https://www.nhk.or.jp/school/sougou/q/origin/shiryou/


(第四世代: 小学校中学年・9歳〜10歳)

Point:社会的テーマを話す機会に

第3世代とほぼ同じですが、第4世代になると社会的な意識も芽生えてくるため、社会的なテーマを振ってみると、子どもたちから新しい考えを引き出すことにつながるかもしれません。

配慮は求められるものの、ぜひ取り組んでいただきたいのは、お友達関係やいじめといったテーマ。次の世代になると、友達同士の関係性が難しくなったり、いじめが増えてくるので、人の悪口を言うこと、人の悪い噂を流すこと、いじめってなんだろう?などを、難しい年頃になる「前に」話し合っていただけると、後に効いてくるかもしれません。

また、小学校中学年以上になってくると、周りをネガティブな方向に先導するお子さんが出てくる可能性もありますので、その点に気をつけながら進めてください。

可能であれば、人前で話すことへの恥ずかしさも強くなってくるこの時期までに、『こどもかいぎ』を体験してもらいたいところです。

「配慮が求められそうなトピック」もご参考ください。




(第五世代: 小学校高学年・11歳〜12歳)

Point:発言しない子が増えてくる

受験のために勉強する子も出てきますし、ニュースなど世の中で起きていることを理解してくる世代であるため、前の世代より少し詳しい時事的テーマを投げかけてみると、面白いかもしれません。

自分の発言が周りにどう受け取られるか気になってくる時期でもありますし、少人数なら発言できても、クラス全員となると発言しない子も出てくる傾向にもあるので、その辺のケアをしながら進めてみていただきたいです。

お子さんによっては、やり方を教えれば、ファシリテーションもできるようにもなる年齢です。ぜひ「子どもだけの『こどもかいぎ』」の機会も作り、さらなる成長の助けにしてはいかがでしょうか。 (もちろん、もっと低年齢でファシリテーションをすることも可能です)。



(第六世代: 中学生:13歳〜15歳)

Point:子どもによるファシリテーションも

思春期に入ると、自分の意見は十分にあるものの、それを発言して対話をすることが「恥ずかしい」と思うようになる傾向がありますので、何を発言しても大丈夫という場作りや、発言したときのリアクションの仕方、議論の持って行き方などを工夫すると、『かいぎ』が活発になり、対話を深めていくことが出来るかもしれません。

また、お子さんにファシリテーションをしてもらうことで新しい魅力を引き出したり、これまでとは違う思考回路を開拓してあげるのも良いかもしれません。

いじめや不登校、引きこもり、精神疾患など、子どもを取り巻く問題は、子どもから話を聴き、それを受け止めることで改善することも期待できます。必ずしも『かいぎ』と言う形にこだわらず、子どもたちの話を引き出して、耳を傾けてもらいたいと願っています。

『こどもかいぎ』の3つの効用
https://www.umareru.jp/kodomokaigi/contents/effect/


(第七世代: 高校生:16歳〜18歳)

Point:活発な対話にこだわらなくても良い

第六世代と同様、自分の意見をしっかり持てるようになる世代ですが、同じく、恥ずかしさから発言もしなくなる世代なので、基本的な取り組みは第6世代と一緒で良いのかなと思います。

第六世代よりもさらに、全体の発言数が少なくなる傾向が予想されますが、『かいぎ』は発言することだけではなく、思考する、想像する、という魅力もありますので、必ずしも、全員が活発に発言・対話することにこだわらなくても良いと思います。

少人数であれば、発言できる子もたくさんいますし、この世代になると社会問題や自分たちが歩む未来について、活発に意見交換ができるようになります。お互いの問題を話し合うことによって解決・改善する経験の積み重ねが、「自分たちが生きる社会は自分たちで作っていける」と、前向きな思考につながっていきます。



■親御さんとの関わり方



場合によっては、親御さんに対して、『こどもかいぎ』のことを説明したり、報告したりする場面があるかもしれませんので、そのような場合の関わり方について、簡単に記載させていただきます。


親御さんとのコンタクトは、

1. 保育園や幼稚園、学校などで、『こどもかいぎ』を始める前に「説明を求められた時」

2. 地域の中で『こどもかいぎ』のようなことをやってみようと思う方が、親御さんを「誘う時」もしくは「説明する時」

3.『かいぎ』が終わった後に「報告する時」


がありそうです。


とは言え、園や学校の活動として行う場合、基本的に親御さんの「同意」は必要ないでしょうし、「説明」も「報告」も必須ではないと思います。

親御さんもそれぞれ、関心事が異なるでしょうから、求められた場合のみ、説明・報告するのも良いですし、事前にどんなことをフィードバックしてほしいか確認しておくのも一つです。

説明する場合も、子どもの対話という活動を初めて経験される親御さんにおいて、「よく分からない=リスクやデメリットが気になる=とりあえず反対」という構図になってしまう可能性もありえるので、「どうしても反対の人がいたら声かけてください」くらいの方がちょうど良いかもしれません。

また、「ファシリテーターからは報告しない」という方針にして、子どもから感想を聞くようにご提案し、子どもとの対話のきっかけ作りとしてもらうのも一つの考え方です。


※ 大人同士も『おとなかいぎ』を!

子どもが対話できる社会を作り上げていくにあたっては、大人同士が対話を欠かさず、常に風通しを良くしておくことも、子どもにとっては大きな助けになりえます。

「反対の人がいたら面倒臭い」と思ってしまうのは、とても良く分かることです。

しかし、このような時こそ、対話です。お互いを理解し、考えを近づけていくきっかけにもなりうるものですから、そこを「面倒」だと思ってしまうと、人と人とのつながりを作り続けることは難しくなりますし、「考えが合致する人」としか交流しない傾向が生まれ、自己成長を妨げることになってしまうかもしれません。

「面倒だな」と思った時は、「ここから自分が何を学べるだろう?」、「今後のネタになるかもしれない!」と考えてみたり、捉え方を少し変えてみると、対話しやすくなるかもしれません。


◎『かいぎ』に参加してもらう前に親御さんに説明すると良さそうなこと

『こどもかいぎ』とは?の定義

話し合う内容

『こどもかいぎ』の良い点や効果

簡単な進め方

時間や場所

※これらはそれぞれリンクからご参考ください。


時間があれば、

話したい・話したくないテーマについての相談をしてみるのも良いでしょうし、

逆に、

子どもが傷つく可能性等のリスク面

についても言及できそうであれば、言及してみても良いかもしれません。


◎『かいぎ』が終わった後に親御さんに報告すると良さそうなこと

・話した『かいぎ』のテーマや内容
・『かいぎ』の全体の様子
・各お子さんの発言内容
・各お子さんの『かいぎ』中の様子や態度
・各お子さんの良かった点と課題

報告を受けた多くの親御さんは、喜ばれると同時に驚かれると思います。『こどもかいぎ』では、子どもたちは家庭とは違う顔を見せる場合が多いからです。

報告した上で、家庭内でも「こんなことをお話したの?」など質問をして、『おやこかいぎ』をしてみるようご提案すると、対話の習慣がさらに広がって良いですよね。


※『こどもかいぎ』に「守秘義務」はあるの?

カウンセリングでは、耳にした内容は第三者に伝えない「守秘義務」がありしますが、『こどもかいぎ』はカウンセリングではないため、そこまで過敏にならなくても良いとは思います。

ただ、「守秘義務」とまではいかなくても、子どもの口から、家族の秘密や夫婦仲のようなものが出てきてしまう可能性もありえますので(非常に稀ではありますが)、センシティブな情報については、その場で留めることが肝要でしょうし、親御さんへの報告はファシリテーターからではなく、あくまでも子どもからに限定するのも一つの考え方です。


◎報告の手段

・その場で口頭
・園や学校の入り口での案内やホワイトボード、園内通信など
・ブログ
・メールやLINE
・電話


※親御さんの同席について

子どもがどんなことを考えているのか、人前でどのように意見を表現するのか、親としてはとても関心が高いところですよね。『こどもかいぎ』はカウンセリングではありませんから、場合によっては、親御さんに見学していただくのも一つの考え方です。
「ことばキャンプ®」では、話し合いの場に親がオブザーバーとして参加し、子どもの発言の良かった点などを「花丸コメント」として述べる決まりがありますが、実際に参加してみて、すごく良かったです。

我が子が発言をしている姿を見て、大きな成長を感じ、誇らしく思いました。この経験は子育ての力になりますし、親御さんに見ていただくことで、『こどもかいぎ』への理解も深まると思います。

また、主催者が一方的に報告するのではなく、親御さんと一緒に「振り返り」の時間を持てれば、より、気づきの多い時間になるとも思います。

同じ部屋で、隣の部屋で、後から映像でなど、お子さんが対話に参加する姿を見る機会は、いくつか手段があるかと思います。

ただセンシティブな場面もあるかもしれませんし、「親が横(隣の部屋)で聴いている」「親が後で聴く」と思うと、自由に話せない可能性もあるので、親御さんだけでなく、先に子どもたちと対話をして、方針を決めていただければと願っています。


◎ その他、親御さんから聞かれそうな質問や反応

・ 「うちの子どもは多分、話さないと思う・座ってられないと思う・続けられないと思う・嫌がるかもしれない」

無理に参加させなくても良いし、無理に発言する必要もなく、お友達の話を聞くだけでも楽しめる子も多いし、それだけでも子どもにとっては聞く力や思考力を養ったりもする可能性があることを伝えるのも一つです。

そんなに長い時間やらないし、最初に「お約束」として椅子に座ることを話すので、割と座っていられる子が多いこと、たとえ座れなかったとしても、それはそれで良いことを伝えてみてはいかがでしょうか。


・『こどもかいぎ』の効果を疑われる

理解できる話ですから、しっかりと受け止めつつ、ご自分の意見をお伝えするのが良いのではないでしょうか。


・『こどもかいぎ』のエビデンスを求められる

子どもの対話活動は、日本において創世記に近く、エビデンスのようなものがほとんど見当たりません。この辺は、子どもの対話活動を広めていくにあたって、大きな課題の一つです。


・子どもが傷ついた、もしくは、うまくできなかったことに対する不平や不満、文句など

このような場合、対処するにあたってエネルギーが必要で、手間はかかりますが、理解できる話ではあります。このようなことをぶつけてくる方がいたら、逆に「対話」を求めているのかもしれませんし、しっかりと受け止めることで、逆に信頼してもらえるケースもありますので、相手の話を聴いて一定の理解を示しつつ、対処できることを願っています。

※『こどもかいぎ』に参加したお子さんの保護者の方へのインタビューもご参考ください。

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