【撮影】老人ホームに親を預けること

最近は作品作りで様々な「旅立ち」を体験させていただいていますが、

・最後まで家で過ごす方もいれば、
・最後だけ家に帰る方もいれば、
・志半ばで病院で亡くなる方もいれば、
・施設で、という方もおり、

改めて、人生それぞれだなぁと感じます。

現在、某老人ホームで撮影をさせていただいておりますが、

こちらの施設には約100人のご年配の方々が暮らしていて、
平均年齢90歳。

そして9割以上の方に何かしらの認知症があります。

・寝たきりの方、
・しゃべる事もままならない方、
・気分が乱高下する方、

など様々いらっしゃいますが、
お声をかけると大抵の場合は笑顔で答えてくださいます。

老人ホームに自ら入る方はほとんどおらず、
多くの場合は家族が面倒を見切れない事で入所されるようです。

その事で罪悪感を感じるご家族が多くいらっしゃるそうですが、
施設長(本当に素敵な方!!)にお聞きすると、

==============================================
特に認知症などの場合は、ご家族だけで看続けるのは
非常に難しいので、「プロ」に任せてもらった方が、
ご本人にとってもご家族にとっても、良い結果につながる
==============================================

事が多いとおっしゃいます。

認知症の症状的な特徴は、

・暴言を吐く
・暴れる
・一人で外に出ると帰って来られない
・火元などが危ない
・妄想を言い続ける
・機嫌が乱高下する

などなどがありますので、
介護する側は、見えないゴールに向かって
走り続けているうちに、「ヘトヘト」になってしまいます。

認知症の方が家族内にいる場合、
家族皆で役割分担を決めて、同じくらいの負担で面倒を
見るのが理想的かもしれませんが、

現実は特定の方(多くは娘か義理の娘)が
介護に従事する事に多くなるようです。

介護だけでなく、
子育てと家事にも追われますと、

子どもとしっかり向き合う時間・精神的余裕もなくなりますし、
仕事と並行して行わなければいけない場合も多いため、

【肉体的・精神的なバランスを崩す事が多くなる】と言います。

最悪の場合は、家族崩壊という事も、あるようです。

認知症の方の介護は、
残念ながらこういう結果になってしまう事が多いので、

日常の生活は施設で看てもらい、
適切な距離を保ちながら、親子関係を育む事を、

施設長はおすすめされていますし、

【施設に預ける事は決して親不孝な事ではない】

と言うお話は、
すごく納得しました。

実際、施設で暮らし始めた頃は、
利用者さんもご家族も、
不安と疲れと疑心暗鬼で眼がつりあがっていたのが、

【しばらくすると、お互いに柔らかい表情になっていく】

と言います。

それもこれも、
施設内でしっかりとした愛情の交換作業が
あるからなのだろうなぁと思います。

本当は「最後まで家で」という方が最も多いようですが、
家族ってそう単純なものではないのだようなぁという事を
改めて感じました。

ブログ「【撮影】素晴らしい老人ホームに出会いました」
http://www.umareru.jp/blog/2013/06/post-1033.html

監督・父
豪田トモ

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