虐待防止に向けた宣言文

映画『うまれる』の虐待防止キャンペーンでは、
映画が始まる前に以下の文章をお読みいただく事になっております。

※ 上映予定時間になりましたら、皆さまがお席についていなくても、読み始めてくださいませ(読み終わった頃に5分遅れで来た皆さまがちょうど席に付かれているかと思います)。

※ ◎◎は各上映会ごとに変更・修正していただいています。

※ 本来であればもっと長文になってしまいますが、上映前にお読みいただく文章なので、割愛した上でポイントだけにまとめています。

※ 映画の上映時間は104分ですが、本文が約5分ですので、チラシやポスター、HPなどの宣材物では、上映終了時間を少し多めに取ってご案内くださいませ。

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皆さま、こんにちは。

映画『うまれる』の企画・監督・撮影を担当いたしました、
豪田トモと、申します。

本日は『うまれる』の上映会にお越しいただき、
誠にありがとうございます。

本日の上映会は「虐待防止」を趣旨にしておりまして、
ご賛同いただいた主催者の◎◎さまによって、運営されております。

私は映画公開と同時に子どもを授かり、
現在、2歳◎◎カ月の娘(誕生日は2010年11月18日)を育てている父親でございます。

娘はすくすくと元気に育っておりますが、
子育てを始めてから最も心が痛くなるのが、虐待のニュースです。
悲しいことに、

【全国での虐待の相談は、年間約6万件、そして、
1週間に1人から2人の子どもが、虐待によって亡くなっています】。

現在の日本では、

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実の親が育てる事の出来ない「要保護児童」のうち、
乳児院や児童養護施設にいる子どもたちは約33,000人いますが、
その半数以上の入所理由が「虐待」
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です。

【子どもへの虐待は4種類】あります。

殴る・蹴るなどの、身体的虐待の他、性虐待、
大声や脅しなどで恐怖に陥れたり、自尊心を傷つける言葉を浴びせる、
という心理的虐待、

そして、子どもを家に残して外出する、食事を与えない、など、
ネグレクトと呼ばれる虐待行為です。

日本では、子どもを育てる上で「しつけ」は大切な要素と言われています。

虐待と「しつけ」には、
しっかりと線引きできないグレイゾーンが存在しますが、

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・子どもが耐え難い苦痛を感じている
・子どもが安全でない
という状態は、しつけではなく虐待である
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と専門家の間では、言われているようです。

専門家の間では、子どもが虐待を受けると以下のような影響を及ぼすと言われています。

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1. 産みの親から引き離され、乳児院や児童養護施設などで暮らすようになる。

2. 将来、自身が親になった時に虐待を繰り返す、
もしくは無意識のうちに虐待的育児をするようになってしまう。

3. 自尊心や自己肯定感が育たず、対人関係が苦手な大人になってしまう。

4. 身体的虐待を受けていた場合、問題解決や対話の選択肢の第一に
「暴力」を使用するようになってしまう。

5. 精神疾患やウツ、自殺の原因の一つになってしまう。

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では、

【なぜ虐待というものが起きるのでしょうか?】

原因としては、主に次の2点が考えられると、言われております。

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【虐待が起こる原因1.】
自身も、親から何らかの虐待を受けている、
もしくは、親から十分な愛情を受けずに育ち、
子どもを育てるための方法として、
「虐待」的行為しか知らないため。
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虐待を受けた子どもの約3割は虐待を繰り返すと「統計上は」言われていますが、残りの7割は連鎖を断ち切っており、

主な要因としてはパートナーを中心としたサポートに恵まれたから、
と言われています。

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【虐待が起こる原因2.】
子育ての主要な役割を担う母親が、パートナーや親、地域からの
十分なサポートを受けておらず、
心理的、社会的に、孤立しているため。
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【一つの命を約20年もの間、育てる事は、並大抵の事ではありません】。

ストレスもたまりやすく、孤独感にも陥りがちで、
そのネガティブなエネルギーが、無意識のうちに「虐待」という形で
子どもに向けられてしまう事があるようです。

その他、

・貧困
・予期しない妊娠

など、虐待に至る様々な要因がありますが、
お時間の関係で、本日は、割愛させていただきます。

どんな理由であれ、虐待は許されない行為ではありますが、

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虐待をした人だけがおかしいのだ、と考えると
将来的な問題解決には結びつきません。

私たちが共に考え、助け合い、行動する事によって
この問題は改善に向かう
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のではないかと、思うのです。

虐待は他人事だと思われる事が、よくあります。

しかし、

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虐待の問題に取り組む事は、現在の皆さまの、そして将来、
皆さまのお子さまが育児をする時の、環境の改善につながる
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事も考えられます。

例えば、

・「貧困の中での育児」を防止するための、子育て手当てなどの増額・割当、

・「親から続く虐待の連鎖」を断ち切るための、親になるための教育プログラムの整備、

・「サポート不足の、孤独な育児」を解決するための法改正、パートナーや地域・社会の意識変革

など、様々な施策が考えられますが、これらはすべて、

・親が幸せな子育てを楽しむこと

・優秀な未来人を、産み出すこと

に関係するのではないかと思われます。

虐待は非常に繊細で、難しい問題であり、
国として取り組むべきものだとは思いますが、

私たちに出来ることをしていきましょう。

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・なぜ虐待が起き、
・それがどのように社会に影響し、
・どう解決していけば良いのか、

映画『うまれる』の上映を通じて、
皆さまと共に考えていければ
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と思っております。

ご清聴いただき、誠にありがとうございました。
それでは、映画をお楽しみください。

※ すべてお読みいただいて、約5分になります。

監督・父
豪田トモ

★ 映画『うまれる』虐待防止キャンペーン ★
http://www.umareru.jp/abuse-prevention.html

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