伊藤健太郎の「作品」に罪はない

20201030at86S_p.jpg ※ 写真は、時事ドットコムよりお借りしました。

ちょっと前の話になっちゃいますが......、
俳優の伊藤健太郎さんが、
ひき逃げで逮捕されたという報道がありましたね。

これについて、ちょっとだけ書かせてくださいな〜。

こういう芸能人のスキャンダルがあると
必ず話題になるのが、

当人が出演をしているものを

「公開するかどうか」ということ。

なんですが、
映画を作っている僕らの立場からすると、

「作品には罪はないんじゃないかな〜??」と思うんですよ。

今回はドラマやコマーシャルなどは省き、
僕の専門である「映画」に特化して書きますが、

「映画」というのは
一人の個人によって作られるものではなく、

場合によっては数百人以上の人々が関わり、
様々な思いから、

数千万から数億円をかけて、
だいたい2年くらいかけて作られます。

伊藤さんの最新作である
「とんかつDJ」にしても
「十二単衣を着た悪魔」にしても、

伊藤さん個人の作品ではなく、
伊藤さんはあくまでチームの一員であり、

所有権にしても、何にしても、
「伊藤さんの作品」ではない、ですよね。

それが、1人の人間の不祥事・過ちによって、
その作品自体が日の目を見ない、

というのは、
逆に、作ってきた人たちの思いが踏みにじられるわけで、

これはこれで道義的に問題があるんじゃないかな〜とも思うのです。

「罪を犯した人間が活躍している姿を世の中で公開しても良いのか」

という面はもちろん、あるし、
それは一定の理解があるのだけれど、

勝手に流れてきて
勝手に見せられてしまうコマーシャルみたいなものと違い、

特に映画というのは、
個人の選択によって、
お金を払って鑑賞するものなので、

見るか見ないか、は個人の自由

なんじゃないかな〜とも思うんです。

ちなみに、
アメリカなど他国で、

主要な登場人物のスキャンダルによって
公開が差し止められるような事態は、

まずもって、ありえない話です
(なくはない、けれど)。

もちろん、他国と日本とは事情も文化も様々違いますから、
アメリカのようにせよ、とは言いませんが。

ちょっと例えは悪いかもしれないけれど、
もしこれが映画作品ではなく、

ビルの建築だったらどうするんだろう?

建築を止めるのだろうか?
もしくは立入禁止のビルにするのだろうか?

農家の人だったら?
その野菜は食べるな、という話になるのだろうか?

罰するのは、

非難されるべきなのは、

本人だけで良い。

だから、
公開を取り下げるとか、公開しない、と言う選択ついては、

僕は反対の立場です。



監督・父
豪田トモ


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