映画を作るということ

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※ 4年前の今頃、前作『うまれる』と同時に我が娘も誕生しました!


いよいよ、長--い陣痛期間を経て、
本日、「我が子」とも言える新作映画『うまれる ずっと、いっしょ。』が誕生します!

いやー、緊張しますね(笑)。
嬉しさもありながら、鬱々とした気分でもありますがー。。。

● 映画を作っていて、思うこと ●

・本当にたくさんの人に手伝ってもらっている、支えていただいていると実感する。

・本当にこんな仕事させてもらっていいのかと思うくらい、楽しくてやりがいがある。

・本当に時間、お金、エネルギーを消費する(笑)。

・本当に人生がイヤになるくらい、失うものもたくさんある。

以前、

『捨てる』→『うまれる』

という話を書かせていただきましたが、
http://www.umareru.jp/blog/2014/04/post-1275.html

逆に言うと、

『うまれる』→『捨てられる』

部分もあるんですよね。

映画を作っていると、

生み出すものと同じくらい、

失うものもたくさんあるんです。

先に書いた、時間、お金、エネルギーもそうですが、
精神的に負担が大きいのは、

やっぱり人間関係です。

スタッフ、取材・撮影させていただく方々、関係者、
メディアの方々、サポーターの方々、ボランティアの方々、
上映会を主催してくださる方々、ブログやFB等をご覧いただく方々、

本当にたくさんの方々に支えられていると同時に、
それは「失うもの予備軍」でもあります。

映画を作っていて、信頼をいただける部分もあれば、
僕らもすべての事を完璧には出来ないので、

信頼を失ってしまう場面も、正直、あるんですね。

電話やメールが一本なかった。
説明した事と受け取られていた事とに差異があった。
ブログで傷ついた。
一緒に仕事をしている中で自分が尊重されなかった。
映画を観てくれ、告知してくれとうるさい(笑)。

。。。

山のようにあります。

その一つ一つが

気にならない人もいれば、
気になる人もいます。

些細な事と、忘れてくれる人もいれば、
絶対に忘れない人もいます。

面と向かって言ってくる人もいれば、
静かにいなくなる人もいます。

その度にまだまだ修行中の身である事を自覚させられるわけですが、
これらに向き合い続けるのは、

ほんとーに苦しいです。

毛が生えた心臓が欲しいぞ!!(笑)

映画を作る、というのは、

慈善活動でも公共事業でもなく、
はっきり言うと、自分たちの

「エゴ」です。

僕の「作りたい」、「伝えたい」という「欲求 = エゴ」なんです。

結果的にどなたかの役に立てた事はあっても、
結局のところ、そもそも「エゴ」から始まっている事は認めなくてもいけません。

「エゴ」というのは必ず「棘」がありますから、
それで傷つく人が必ず出てきます。
申し訳ないです。

特に僕らはセンシティブなテーマを敢えて選んでいるだけに、
その率は高まってしまいがちです。

僕らはものすごい数の人たちと関わらせていただいているので
その人の育って来た背景、性格、フィーリングや価値観の違いで、
僕らに失望する、信頼を無くす人たちも率としては増えるわけです。

僕らも最大限、気をつけているつもりでも、
24時間、365日、完璧に遂行できない部分もあり、

そのちょっとした綻びで「事故」が起きてしまう事もあるんですよね。

映画は、
「作りたい」「伝えたい」という自分たちの強い想いがなければ、
最後までやりきって「完成」させる事は出来ません

(この「完成」というのが大変なんです)。

中途半端な強さでは、人を動かす作品は「完成」できません。

強烈な光を照らし続けなきゃいけないんです。

それは時折、様々な人に無理、負担をかけるという事でもあります。

暖かい太陽光だと思っていただける人もいれば、
放射線被害による汚染だと思う人もいます。

その一つ一つ、失っていくものに対して、
僕らが恨む事は絶対にありません。

申し訳ない気持ちと同時に、
感謝の気持ちも持つようにしています。

「次の作品は?」

と聞いてくださる方もいます。
ありがたい事です。

何となく「次はこんなのが出来たらいいなと思っています」とお答えする時もあります。

でも、
本当はまだ考えられていません。

いや、考えたくないのかも(笑)。

この行程をまたイチから何年もかけてやんなきゃいけないのかと思うと、

正直、ゾッとするんです。

でも、
またムクムクと「作りたい!」「伝えたい!」という「エゴ」が生まれてくる時が来ると思います。

また、
僕らの棘に傷ついて去っていってしまう人がいるかもしれない。

でも、
誰かの人生を良い方向にできるお手伝いができるかもしれない。

運命に従って、真摯にやり続けるしかないです。

どうか、支え続けてください。

監督・父
豪田トモ

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