※ 愛する奥様を亡くされた今賢蔵さん
闘病や介護、人生の終末期をテーマにした作品を作らせていただいていますが
(公開はまだまだ未定です)、
様々な方に
・亡くなること
・遺されること
についてお聞きしているうちに、
【死後の世界は2つある】
のだなぁと思うようになりました。
1つは、
ご想像の通り、
天国や地獄、あの世など様々な表現がありますが、
「人が旅立った先の世界」。
「死」は当然の事ながら究極の恐怖の対象ではありますが、
色々とお話を聞くと、人によっては
「新しい世界に住む事になる(から楽しみ)」
「先に亡くなった、愛する人に会える」
など、怖さばかりではなく、
ポジティブに捉えようとされている方も意外にたくさんいらっしゃいます。
もう1つの「死後の世界」というのは、
「人が旅立たれた後の遺された世界」
です。
![]()
これは僕自身、
あまりちゃんと考えてこなかった気がします。
「自分が死んだらどうなるのかな?」
というのはよく考えたり、勉強したりしたけれど、
「自分が死んだら"遺された人は"どうなるのかな?」
というのは、恥ずかしい話、ちょっと抜けていました。
でも、とても大切な問いだと思います。
これは僕が取材・撮影させていただく方々の半数近くが
「遺された側」である事に、ある日、気づいたからなんですが、
=========================================
遺された方々にとって、
旅立ったご本人との絆が強ければ強いほど、
遺された後の「死後の世界」は、
全くもって、今までとは違う世界です。
=========================================
亡くなった事を認めたくない気持ちが消えず、
何度も、何度も、後悔し、
時に「遺された事」に対して怒り、
時にパニックになり、
涙はとめどなく流れ、、、
それまでの生活は一変せざるをえません。
仕事をされている方は、
それまでと同じように働く事はまず不可能です。
場合によっては長期休職、そして退職もありえます
(会社側の理解や制度が問われますね)。
働かれていなくても、
ご近所や友人、ママ友など、仕事とは違った社会生活、
そして子どもやパートナーとの家庭生活も、
一時停止と再生が繰り返されます。
最愛の人を亡くした方が日常生活に戻る道筋を
「グリーフ・プロセス」と言いますが、
残念ながら、
私たちは生きている間に、ほぼ必ずと言っていいほど、
「グリーフ・プロセス」を経験せざるをえません。
本当に避けたい事ですが、
私たちはこの「グリーフ・プロセス」については
ほぼ「ノー・アイデア」です。
学校で勉強する事はありませんし、
社会に出てからも死を忌み嫌う風潮から、
このような事がランチの話題に登る事は、まずないですよね。
分かっていれば、対処法が分かりますし、
ダメージは少なくすむ可能性がありますが、
分かっていないと、
ダメージは深刻なものになる可能性もあります。
愛する人を亡くされた方の多くが
・ウツを経験し、
・場合によっては何らかの依存症に苦しまれ、
・後を追うように亡くなられるケースがあるのも、
支えがあるかないかと同時に、
「遺された後の死後の世界」がある事、
「グリーフ・プロセス」を知っている事、
が大切なのではないかなぁと思います。
![]()
現在、編集中の「映画『うまれる』第2章(仮)」には、
愛する奥様を亡くされた今賢蔵さんという男性の
グリーフ・プロセスの物語が登場します。
賢蔵さんには僕自身、本当にたくさんの事を学ばせていただきましたが、
きっと映画を観ていただく多くの方にとっても、
とてつもないご経験になる
のではないか、と思い、
いま、魂を込めて編集しています。
愛する人を亡くされたすべての方に、
エールを送ります。
あなたは一人じゃない。
きっと、光が見える時が来る。
そして、愛する人を亡くされた方が周りにいらっしゃったら、
【1. 一緒にいる】
【2. 話を聞く】
【3. 泣きたい時には泣いてもらう】
を実施してあげてください。
きっと、大きな大きな助けになると思います。
★ ブログ「愛する人を亡くした方に出来る3つの事」
http://www.umareru.jp/blog/2013/05/3-6.html
★ ブログ「愛する人を亡くされた方に言ってはいけない言葉」
http://www.umareru.jp/blog/2013/07/post-1053.html
監督・父
豪田トモ


コメントする