我が子を水難事故から守る!

(長文です)

「川で溺れた孫を助けようと男性が死亡」

「サザエ取りをしていた男性が波にさらわれて溺死」

「遊泳区域の外で泳いでいた児童が溺れ、助けようとした男性も搬送先の病院で死亡」

夏休みの子どもと家族にとって極上の空間であるべき
海、プール、川などで、今年も悲しいニュースが報じられています。

水遊びは楽しいけれど、
時に恐ろしい顔も覗かせます。

海外旅行に行く時に、
「強盗に遭わないようにするためには?」
という事は誰でも考えると思いますが、

「水遊びと安全」

に関しては、結構あいまいな部分が多いのかなぁと思うんです。

夏本番を前に、お子さまの命を救い、
家族の安全を守るべく、

・どのような水難事故が起きるのか?
・どのようにして親は子どもの命を助けるべきなのか?

という点に関して調べてみましたので、
皆さまとシェアさせていただければと思います。

これを読んで「海に行くのをやめよう!」
という事ではなく(笑)、

【家族で幸せな時間を過ごすために必要な知識】

として、頭の片隅に入れておいていただければ、
とっても嬉しく思います!

●子どもの水難者数はどのくらい?

2011年度の全国での水難事故発生状況としては(警察庁発表)、

水難者数903人に対し、
死者・行方不明者は約38%の347人。
このうち、

===================================
中学生以下の子どもの水難者数は、
全体の約23%(203人)で、
死者・行方不明者は35人(約17%)
===================================

だそうです。

suinan1.png
※ 出典:警察庁生活安全局地域課
http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki4/kaki-suinan-sanngakusounan23.pdf

男女別では、事故者総数の78%、死者の82%が男性(静岡県調べ)。
これは、男性の方が泳ぎに自信があったり、また、飲酒後に泳いだり、
といったことが原因のようです。

パパたち、油断大敵です。

● いつ水難事故は起きるの?

季節としては、やはり水遊びの機会が増える8月が多く、一年を通しても

【水難事故の約5割が6月~8月の間に発生】

します。
正に、今の時期です。

また、河川の情報ではありますが、

==========================================
13時~17時の間に水難事故が発生しやすく、
特に14時~16時が多い
==========================================

ようです。

昼食後、身体は消化にエネルギーを使うため、
無意識のうちに疲労が蓄積する事も関係しているのかもしれません。

suinan2.png
※ 出典:河川環境管理財団
http://www.thr.mlit.go.jp/sendai/kasen_kaigan/river-attention/pdf/01.pdf

● どこで事故は起きるの?

子どもの水難事故の発生場所は、

1位: 海(45%)
2位: 川(30%)
3位: プール(14%)

で全体の90%近くを占めています。

suinan3.png

※ 出典:警察庁生活安全局地域課
http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki4/kaki-suinan-sanngakusounan23.pdf

行為別では

・水遊び
・水泳中

で、子ども全体の77.8%を占めています。

suinan4.png
※ 出典:警察庁生活安全局地域課
http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki4/kaki-suinan-sanngakusounan23.pdf

● 海や川ではこんな事に気をつけて!

======================================================
海・川での水難事故の原因は、
1. 急な流れに流された
2. 浅い場所だと思っていたら、突然の深みに足をとられた
======================================================

という2点が多いようです。

波は時に、想像以上の力を発揮する事があり、
あっという間に流されてしまう事があります。
また、

==================================================
「離岸流」という強い流れの場合は、
毎秒2メートル以上になることもあり、
オリンピック選手でも岸に向かって泳げなくなるほど
==================================================

のようです。

・子どもたちだけで川原で遊んでいたところ、
 川に落ちたボールを拾おうとして転落し、溺れてしまった。

・海で浮き輪にのって遊んでいたところ、離岸流に巻き込まれ、
 気がついたら岸からどんどん離されていった。

という事はよく起こるようですので、
注意したいですね。

● 海・川での対策(まとめ)

==================================================================
・ 過去にどういう水難事故が遭ったのかを知っておく。
・ 子どもに自然、水の怖さを伝えておく。
・ 前日も含め、現地の天候や川の状況を事前にチェックする。
・ 水かさが増えている、濁っている、流れてくるモノが多いなどの場合は、水に近づかない。
・ 強い雨が降った後は予想外に増水する事があるので、水から離れる。
・ 子どもだけで水に入らない。
・ 泳ぐ時は、浮き輪やアームヘルパーなどの浮き道具を身につける。
・ 子どもから目を離さないようにし、水遊び中は必ず大人が「すぐに助けにいける距離」で付き添う。
・ 「誰が子どもを見ているのか」を明確にし、交代してもらう時は相互理解を大切にする。
・ 定期的に休憩をしながら水遊びをする。
・ 泳いではいけないところでは泳がない。
・ 岩場からの飛び込みはしない。
・ 監視者がいたら、指示や注意を守る。
・ 監視員さんに期待しすぎず、親が責任を持って子どもを見る。
・ サイレンがなったりした時に「見学」に行かない。
・ 飲酒をしての遊泳は絶対にしない。
==================================================================

● プールではこんな事に気をつけて!

===============================
プールで気をつけたいのは、
1. 溺れる
2. 飛び込み
3. プールの排水口
===============================

の3つです。

1. 溺れる

バチャバチャと激しい動きを想像しがちですが、本当に溺れているときは、
手足をうまく動かせないようで、すぐそばで人が溺れていても気付かないことさえあるようです。

小さな子どもは必ず大人がすぐに助けに行ける距離で遊ばせ、
とにかく目を離さないのが鉄則。

【浮き輪をしていても、浅くても、子どもは溺れます。】

そして

【子どもは親の予測しない行動をとることがよくあります。】

「あれ?◎◎ちゃん(子どもの名前)は?」

「お前が見てたんじゃないのか?」

夫は妻が子どもを見ているものだと思い、
妻は夫が見てくれているものだと思い、、、
というのは、いつ、どこでもありがちですので、
油断せずにご注意ください。

2. 飛び込み

飛び込んだ時にプールの底や壁面に頭を強く打ちつけてしまう事故は、
毎年発生しているようです。

3. プールの排水口

興味本位で金網を引っ張ったら、排水口が外れて、小さな手や足が吸い込まれてしまった、、、
という想像もしたくない不幸な事故は過去に何度か起きています。

● プールでの対策(まとめ)

===============================================
・ 飛び込みは許可されている場所だけで行う。
・ 排水口の場所を確認し、近づかない。
===============================================

※ 海・川での対策と重なる部分は書いていません。

● 溺れている我が子を見つけたら?

1. 落ち着いて助けを呼ぶ。

2. すぐに110番・119番に連絡する。

3. 一人で助けに入らない。

4. 近くにある棒や浮き輪、ロープ、板、自分の服、ペットボトルなど浮き輪代わりになるものを渡す。

5. 自分が水に入らざるをえない場合は、自分の手は岸につかまり足を掴んでもらうようにしたり、その場にいる人たちと手をつないでヒューマン・チェーンを作る。

6. 一緒に溺れてしまわないよう、背後に回って抱える。川の場合は、下流に先回りして体で受け止める。

もし子どもが溺れてしまったり、または溺れている人を見つけた時に
むやみに飛び込み、助けに行くことは、二重事故につながる恐れがあります。

【パニックで暴れる相手によって、助けに行った側が溺れる】

という事故はこれまで何度もあります。

とは言え、
我が子が溺れている時に何もしないというわけにはいかないので、

===================================================
6. 一緒に溺れてしまわないよう、背後に回って抱える。
川の場合は、下流に先回りして体で受け止める。
===================================================

という点だけでも覚えておいていただけたらと思います。

また、

「もう誰かが救急車を呼んだだろう」と思って、
実は誰も呼んでいなかった、

という事態も予測されますので、
重なってしまったとしても、気づいた人がしっかりと助けを呼ぶ、
という事は大切なようです。

● 我が子が溺水によって意識不明になってしまったら?

意識が無く、呼吸も無ければ「心肺停止」の状態で、

【3分以上、脳に酸素がいかないと、植物人間など甚大な結果に】

なってしまう可能性があります。
しかも、

【救急車の到着までだいたい7分かかる】

そうですので、現場で緊急の救命活動が求められます。

※ 数字はだいたいの目安だそうです。

最近ではAED(自動体外式除細動器)が用意されている施設も増えているので、
もしあれば、すぐに用意して音声案内に従いながら使用しましょう。

===============================================
AEDが無い場合は、救急車が来るまで
ご自分で心配蘇生法を行うしかありません。
===============================================

● 我が子を守る心肺蘇生法

【心肺蘇生法は心臓マッサージと人工呼吸のコンビネーション】

です。
以下に簡単に解説させていただきます。

1. あごを上げて気道を確保する。

2. 胸の真ん中に手を重ねて、両肘を伸ばしたまま真上から強く押す(4〜5cm沈むのが目安)。

3. これを1分間に100回ほど続ける。

4. 人工呼吸を行い、2回、口から空気を入れる。

5. 心臓マッサージ→人工呼吸を繰り返す。

6. これを続けるのは体力的にきついので、出来れば周りの人と交代しながら、意識が戻るまで続ける。

以上に書いた数字はだいたいの目安だそうですが、
ネットにはたくさん情報が掲載されていますので、参考になさってください。

★ gooヘルスケア「心臓マッサージ」
http://health.goo.ne.jp/medical/mame/oukyu/oukyu003.html

我が子を守る心肺蘇生法は、
個人的には出来るだけ多くの方が学んだ方がいいのかなと思っています。

赤ちゃんの救命救急講座は錦糸町の東京消防庁などで無料で受けられますのでぜひ参考になさってください。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-hjbskan/honjo-event.htm

僕も受けましたが、知っておいた方がいいなぁと改めて感じました。

YouTubeでも見れます!
http://www.youtube.com/watch?v=K8ObZfhRfHM

● 自分が溺れてしまった時は?

1. 慌てず、まずは浮くことを考える。

2. 落ち着いて助けを呼ぶ。

3. つかまれるものがあればすぐにつかまる。

================================================
川の場合は、無理に流れに逆らって家族・仲間の
ところに行くよりも、流れを利用して川岸を目指した方が良い
================================================

ようです。

泳いで陸地に戻る際には、クロールは想像以上に体力を消耗しますので、
必ず平泳ぎもしくはバタ足などで戻りましょう。

万が一にそなえ、できるだけ一人で水場に行かず、友人や家族などと行くことをオススメします。

● 室内も気をつけましょう

子どもの溺水は、実は室内での発生も非常に多いようで、

・浴室
・家庭用ビニールプール
・洗面所
・台所

も気をつけましょう。
平成17年には、全国で

【40人近い子ども(0~9歳)が浴槽で溺れ、命を落とした】

との記述をネットで見ました。

・子どもと入浴中、髪を洗っているわずかな間に沈んでいた。

・目を離したわずかな時間に、1人で浴槽に入ろうとして誤って浴槽内に転落しておぼれた。

・浴槽のフタがずれて転落しておぼれた。

==========================================
たった10cmの水の入ったビニールプールでも、
親が携帯電話などを室内に取りに行っている間に、
お子さんが転んでしまい、うまく立てず、もしくは、
気絶してしまって溺れてしまう、という可能性
==========================================

も、全くないとは言えません。

● 室内での対策(まとめ)

※ 海・川、プールでの対策と重なる部分は書いていません。

・ 子どもだけで入浴させない。
・ お風呂に水を残さない。
・ 浴室のドアはしっかりと閉めておく。
・ 浴槽のフタを閉めておく。

以上になります。
長文にて失礼いたしました。

怖い話をたくさん書いてしまいましたが、、、
万が一、の可能性で現実的に起こりうる話ですので、

あまり恐がりすぎず、ちょっと頭の片隅に入れておいて、
夏を思いっきり楽しんでいただけたら、
と思います☆

良い夏休みを!

※ 自分なりにかなりの時間をかけて調べてみましたが、
僕は水難事故の専門家ではありませんので、
情報が足りなかったり、一部、誤解のある情報があったりするかもしれません。
すみません。

細かく気になった点がございましたら、
ご自分で追加で調べていただけると嬉しいです☆

改めて、水難事故の犠牲になられた方々のご冥福を祈り、
現在も苦しんでいる方々に謹んでお見舞いを申し上げます。

監督・父
豪田トモ

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