【取材】「キャンサー・サバイバー」の課題

先週、日本に骨髄バンクを設立された大谷貴子さんの
お話をさせていただきましたが、

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「キャンサー・サバイバー」の方々には、

生還した後も、多くの課題が残ります。

その1つが、

【子どもを産めなくなってしまう】

という事。
もちろん全員ではありませんが、

特に白血病など血液疾患で使用する抗がん剤は
効果が高いものが多く、
【副作用として生殖機能への影響が強い】

そうで、
骨髄移植をすると、女性は閉経してしまったり、
不妊になってしまうことが多いようです。

いまでは卵子や精子の凍結が出来ますが、
大谷貴子さんが治療されていた頃は、
そこまで生殖医療が発展していませんでした。

それ以上に、赤ちゃんができなくなってしまう可能性が
高い事を知らなかったし、聞かされていなかったのです。

命が助かった後にその事実を知り、
命が助かった事は嬉しいけれど、

女性としての最も大きな幸せでもあり、
夢でもあった子供を産むという事が出来ない事に、
言いようのない複雑な気持ちを持ちます。

「助かっただけでも、感謝しなきゃ」

とは思うものの、

心から喜べない自分がいる

のです。

多くの女性のキャンサー・サバイバーも
同じ思いを持たれているそうで、

・子供を産めない自分は結婚してはいけないのではないか。。。

・こんな自分と結婚したいと思う男性はいないのではないか。。。

という思いから、
実際に結婚できない、もしくは、しない女性、
そしてウツになってしまう方も多くいらっしゃるようです。

結婚が出来ない、

良好なパートナーシップを築きにくい、

子供が産めない

となると、女性としての幸せの多くを奪われる事に
等しいのかもしれません。

そうすると、

自分は何のために生きているのだろうか。。。

生き残らなかった方が良かったのではないか。。。

という思いを持つようになってしまう女性も
数多くいらっしゃるそうです。

大谷さんも骨髄バンク活動を通じて知り合った方とご結婚され、
やはり愛する男性との間の子供が欲しいと願いました。

不妊治療に取り組んだものの授からず、
養子の可能性も検討したようですが、

年齢制限もあり(法律があるわけではありませんが、
概ねほとんどの斡旋団体が、養子縁組をするためには、
40歳未満であることを条件にしています)、

子供を生み育てるという夢は、叶っていません。

とても明るく、ポジティブにお話をしてくださっていましたが、
複雑な思いは、もしかしたら一生持たれ続けるのかもしれません。

でも、骨髄バンクを通じて、
約14,000人の命が救われているという事、
約14,000人の方がまた新たな誕生日を迎えられるという事は、
大谷さんは

たくさんの子ども、そして、命を生み育てている

とも解釈できるかもしれません。

不妊だけでなく、様々な後遺症が残ったり、
精神的にまいってしまって心療内科に通わなければ
いけなくなってしまったり。。。

ガンから生還した方々に、
このような問題があるという事は、
正直に申し上げて、僕は全く知りませんでした。

社会全体としてサポートをしていくことが重要ですね。

それにしても、このような状況でも骨髄バンクの活動に
奔走される大谷さんって本当にすごい!

今後も大谷姉さんを
応援させていただきたいと思います。

ちなみに、以前、卵巣がんから生還された女性の出産を
撮影させていただいた事がありました。

以下のブログからご覧いただけます。
http://www.umareru.jp/blog/2009/06/post-26.html

IMG_9924.jpg

IMG_9964.jpg

※ ガン、白血病、骨髄バンクなどに関する情報、体験談など
ございましたら、こちらにメールいただけると幸いです。

info@umareru.jp

◆ 大谷貴子さんプロフィール
http://www.tau.ac.jp/festival/PDF/ootani_prof.pdf

◆ 情熱大陸

◆ 日本骨髄バンク
http://www.jmdp.or.jp/

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