【取材】在宅ホスピスの専門医:小澤竹俊先生

● 人の死と赤ちゃんの成長の不思議な共通点

NHKスペシャルでも取り上げられ、著書も数多く出版されている、
在宅ホスピスの専門医、めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊先生に
お話をお伺いしてきました。

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小澤先生はとっても物腰が柔らかく、そして責任感の強い方で、
「生まれ変わっても同じ仕事をしたい。人生、捧げています!」
と語る情熱的な先生。

思わず身を乗り出してしまう2時間になりました。

人は、死が近づくと、

・飲食が減る
・眠っている時間が長くなる
・歩けなくなる

という状態になっていくそうです。

お話を聞いていて、

赤ちゃんが成長していく過程と逆の状態に近い

のだなと思いました。

産まれること、生きること、死ぬことは、全く正反対の
ようでいて、螺旋階段のように密接につながっています。

● 「緩和ケア」は、生まれたときから始まっている

小澤先生は神奈川県横浜市で
在宅を中心に緩和ケアおよび看取りをされていらっしゃいますが、

昨年看取られた方は200人以上。

小澤先生に「緩和ケア」の定義をお聞きすると、
とても面白い答えが返ってきます。

一般的に「緩和ケア」とは、
「痛み止めをする医療」と考えられています。

ホスピスの主要な利用者である末期ガン患者さんの多くは、
強い痛みに苦しみますので、モルヒネなどを使う事によって、
人間的生活を営む支援をします。

しかし、常に人の死と向き合っていらっしゃる小澤先生は、
「緩和ケア」を

【解決が困難な苦しみを持ちながら、人が今を生きるための援助】

と定義されます。

つまり、

死ぬためではなく、今を生きるために、
どうやって苦しみや悲しみと向き合うか。。。

という事。

たとえ、痛み止めを処方しても、
心の傷・寂しさ・苦悩は消えることはありません。

そして、このような

心の苦しみは、

人生の終末を迎えた方にだけ

関係するものではありません。

「緩和ケア」は、

生まれたときから始まっている

のです。

たとえ、健康であっても、
「いまを生きる」私たちに訴えかけるものが、
先生のお言葉にはあります。

次回は、この「苦しみ」を和らげる「支え」について
ご報告します。

※ ホスピスや緩和ケアなどに関する情報、体験談等ございましたら、
下記にメールいただけると幸いです。

info@umareru.jp

◆ めぐみ在宅クリニック
http://www4.ocn.ne.jp/~zaitaku/index.html

◆ 小澤先生が出演
「NHKスペシャル 最期の願いをかなえたい~在宅でがんを看取る~」

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