「あたし、おかあさんだから」

奥さんの朋子がここ1週間、ずっと話題にしていることがあるんですよー。

それは、

絵本作家の のぶみさんが歌詞を書いて、
元「うたのおにいさん」の横山だいすけさんが歌った
「あたし、おかあさんだから」という歌がネットで炎上している!!

という内容だったんです。

朝飯の時も、
車に乗っている時も、
撮影の合間も

ずっと話すんです(笑)。

僕は基本的に人が批判されているのを見ると気分が悪くなるから、
炎上ネタは一切みないんです。

だから、
奥さんの話を聞いて「ふーん。。。」という感じだったんですが、

あんまり話すから、珍しく見てみました。

「あたし、おかあさんだから」

歌を聴いてみると、そんなに酷い歌だとは思えないし、
聞いて救われるママもいらっしゃるんじゃないかなぁと思ったんですが、

歌詞の"文字だけ"読むと、
だいぶ印象が変わって見えてしまうのかもな、、、とも思いました。

最後は「あたしおかあさんになれてよかった だってあなたにあえたから」
と結ばれるものの、

「あたし、おかあさんだから」
 ↓
「朝5時に起きる」

「あたし、おかあさんだから」
 ↓
「いいおかあさんでいようって頑張る」

「あたし、おかあさんだから」
「あたし、おかあさんだから」
「あたし、おかあさんだから」
「あたし、おかあさんだから」

、、、と

「あたし、おかあさんだから」

が10数回出て来るので、

少し圧迫感があったのかもしれないですね。

歌詞「だけ」を読むと。

「母親に我慢や自己犠牲を一方的に強いている」

というコメントも、
僕はパパですけど、何となく分かるような気もしました。

きっと、のぶみさんたちは頑張っているママたちの応援歌として
一生懸命、作られたと思うんですが、

善かれと思って作ったものが受け入れられない辛さ。
作り手として、作り手側の気持ちも分かります。

「どうしてダメなのか分からない」

という意見もあるようなんですが、
僕は歌詞を読んで、

なんで多くのママがこの歌詞に不快感を持ったのか、
を考えることが大事

なのかなー、と思いました。

いま、"産後うつと孤独な育児"をテーマにした

「ママをやめてもいいですか?(仮)」

というドキュメンタリー映画を作っていて、
50人以上のママたちに取材・撮影させてもらっているんですが、

ママが置かれている現状や
ママであることで、日々感じているプレッシャーやストレスが
こんなに大変なものなんだ、、、
と学ばせてもらっています。

浮かび上がってきたのが、
追いつめられたママたちの姿。

「どうにもならない孤独感にさいなまれて、
 涙が止まらないまま、ずっと、授乳をしていました」

「こんなママなら、別のママに育てられた方が
 この子のためには良かったんじゃないか。。。」

「命を預かることの重さに耐えられなくなってしまって、
 ママをやめたくなってしまう。。」

インタビュー中に涙されるママたちの話を聞くと、
そんなに強いプレッシャーを感じて毎日がんばっているんだ、、、と

父親として、

社会の構成員として、

「子育ては国育て」だと思っている一人の人間として、

何とかならないのかなぁ、、、
どうしたらいいのかなぁ、、、

と撮影のたびに問いを突きつけられます。

いまも答えが出ないまま、
作品作りをしていますが、

まずは、
「分かりたい」という愛を持って接し、
理解しようと寄り添うことから始めるしかないのかな、

と思いながら、
カメラを持っています。

今回の

「あたし、おかあさんだから」

の騒動も、

ママたちのストレスや苦しみ、
助けて欲しい、支えて欲しい、という心の叫び

にも聞こえます。

出産と子育てという、
いのちを産み出し、育む行為は
すべてに勝る人間活動。

ママだけに限らず、
それを担う人たちはみんな金メダリストと同じくらい、
評されてしかるべき。

十分すぎるほどの愛とサポートに包まれることを願います。

のぶみさんと横山だいすけさんにも愛とサポートを☆

監督・父
豪田トモ

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