体験談より:右卵巣ガンを乗り越えての妊娠、出産

二年前に右卵巣ガンになりました。

付き合っていた彼と結婚を考え始め、妊娠検査薬が陽性。
近くの産婦人科で、お腹に赤ちゃんがいることがわかりました。

お腹が大きくなっていたので、
5ヶ月とかになってたらどうしようとか思ってお腹をさすったのも束の間、
『赤ちゃんはまだ1ヶ月くらい』『赤ちゃんの横に大きなものがある』と。

すぐに大きな病院を紹介され、その日の夜に受診。
MRIを撮って医師から告げられた事は、その時の私にとって残酷なものでした。

約20㎝の腫瘍がある。
赤ちゃんはその隙間で一生懸命生きている状態。
腫瘍はガンだろう。
今すぐ手術をしなければ、私の余命は短期間になるだろう。
赤ちゃんは手術に耐えられず亡くなるだろう。
私の余命は、手術してみなければわからない。

MRIには大きな腫瘍の横に小さな赤ちゃんが写っていました。

翌日、私は右卵巣切除+中絶手術を受けました。
その後、右卵巣未熟奇形腫という珍しいガンだと告げられました。

抗ガン剤で、髪は全部脱けました。
副作用で吐いて、痩せ、皮膚は黒ずみました。
ふらついてトイレにもいけなくなりました。

こうやって死んじゃうのかな。
赤ちゃんもできないし、こんなだし、彼とは私から別れてって言おうって独りで泣いて。。
そんな私に彼は『ジャガイモ』というあだ名をつけ、
『あんな傷んだ髪、毛根から生やしなおせ』って笑

『絶対に元気になるから。
赤ちゃん産めるから。笑うとガンが消えるから。
俺がいっぱい笑わしたるから』って、

毎日病院にきて、変顔して、
私の頭を『ジャガイモ』って言いながら触る。

そうやって辛い治療を乗り越えられました。

一年後、彼との赤ちゃんを妊娠しました。

医師から『妊娠中はガンの検査ができない。
でもカワイイ赤ちゃんを産みましょう』と言われ始まった妊娠生活。

妊婦検診のたびに
『赤ちゃん元気に育ってますよーに』
『再発してませんよーに』って願いました。

卵巣が一個しかないけど大丈夫かな。
この手術痕、開かないかな(笑)

今、私の隣にはハイハイしてる元気な男の子がいます。

私には奇跡としか思えない今です。
でも旦那さんはそうは言いません。

『こーなると思ってた』

あの時も今もホンマにありがとう。
そんな気持ちをたまに言うと、また変顔して『車買ってな』やって笑

私もいつか死にます。
その時無事に『お母さんありがと』って言ってくれるおじさんに育ってくれますように。

実は卵巣腫瘍は、若い女性に多い病気で、ほとんどが良性です。
でも良性であっても治療は卵巣の切除手術がほとんどです。

卵巣が片方になっても、二つの時の70%の役割を果たしてくれるそうです。
赤ちゃんも産めました。
だから同じような境遇の方は諦めないで欲しいです。

エリさん

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★ 映画『うまれる』の体験談より
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