体験談より「後悔は愛情の証」

いろいろと経験しすぎて、どこに投稿したらよいのかわからないので、
こちらに投稿させていただきます。

私は今、幸せです。

しかし、過去は幸せではありませんでした。

それはなぜなのか。

両親の愛情を感じることなく成長し、自分勝手に離婚され、
長女だからという理由で母代りをこなしたせい?

それとも、一緒に暮らしてきた父が病院にも行かず、病気を悪化させ、
おまけに認知症も患い、結婚式にも出席してくれなかったせい?

認知症の他にも透析治療が必要だった父を、
介護職のくせに自分で介護せず、施設や病院に預けたせい?

他人の介護は笑顔でできました。

大変な思いをしているご家族と一緒に介護をしていました。

でも、自分の親が介護が必要になったとき、情けなくて悲しくて。

思い通りになるわけなんかないのに、
いちいち父の言葉に逆上し、ケンカを繰り返し、毎日父は

「死んでやる」

と言ってきました。

元気な時は頑固な職人で、友人知人の助言は受け入れず一匹狼だったのに、

病気になったら「捨てないでくれ」と、

今までにはあり得ない言葉を投げかけてきます。

私はそんな父の寂しさや口惜しさ、
親として残っている気持ちを理解しようともせず、

なんで私ばかりこんなつらい目に遭うのか、

今までも、これからも、こんな人生が続くのかと落胆して暮らしていました。

それでも、私は父の子供でした。

頑固な所はそっくりです。

そのため、一度決心して始めた介護の仕事だけはやめることができずに続けました。

父は、施設にお願いしました。

休日は会いに行きましたが、いつも「何しにきたんだ」と怒りました。

段々足が遠のきました。めんどくさいと思うこともありました。

そのうち私自身の生活は徐々に安定し、結婚し、長女も出産しました。
介護福祉士としての仕事も子育てと両立しながら、問題なくこなしていました。

父の病状は年数を重ねるごとに悪化していきました。
透析の治療が必要になり、病院へ入院しました。

透析治療は1週間に3日通院しなければなりません。

私は自分の生活をとったので、
父は療養型の病院で入院しながら治療を続けたのです。

その頃の父はもう歩けませんでした。

病院は遠かったけれど、職人で大きくて真っ黒だった父が、

一回りも二回りも小さくなってしまった姿に言いようのない罪悪感と責任を感じ、

時間を見つけては孫を連れてお見舞いに行きました。

その時には、私はいつも嘘をついていました。

実家は私が守っているから、元気になって一緒に住もうと声をかけたり、
必ず治る病気だからと声をかけ続けました。

次女も生まれ、生活も安定した時は現在の自宅へ連れて帰り、
介護がしたいと看護師長さんと言い合いをしたりしました。

いくら家計や精神的に安定したとしても、常時介護が必要でほぼ寝たきり、

医療がなければ命さえ危ない父を連れて帰るリスクを、
看護師長さんはわかっていたのです。

もちろん退院することはありませんでした。

父は病院で私と妹が見守るなか、永眠しました。

東日本大震災から2か月後でした。

そして、私が父と約束していた、ケアマネージャーの資格を
やっと取得した時でもありました。

悔しくて、悲しくて、寂しくて。

どうしたらいいのかわかりませんでした。

ケアマネになれば、父の介護プランが組めるかも知れない。
どこかでそう信じていたのに、いなくなってしまった。

私は、父から愛されていたのか、それを確かめることもできなかった。

夫や愛娘、友達、職場。
たくさんの方から復活するための力をもらいました。
離婚した母親とも連絡をとり、色々と聴きました。

後悔しています。

しかし、後悔は愛情の証と学びました。
http://http://www.umareru.jp/blog/2013/11/post-1166.html

愛していたからこそ、後悔していいんだ。大切だったんだ。もう、自分を責めません。

最愛の父を亡くし、最愛の人と出会い、

自分の愛情を注ぐ子供を3人も授かり、人生経験もたくさんさせてもらいました。

これから、何があっても、また向かい合える強さも備わったような気がします。

いま私は人間として、成長できたことを誇りに思っています。

父のように、娘や息子に恥ずかしくない後ろ姿を見せて行きたいです。

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★ 映画『うまれる』の体験談より
http://www.umareru.jp/experience/

★ 「介護・看取り」に関するブログはこちら
http://www.umareru.jp/blog/cat160//

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