体験談より:父親のおかげでほんの少し気付けた

父親は私が物心ついた時には母に暴力をふるっていました。

私が9才の頃から更にひどくなりました。

母はあざだらけ。
止めに入ると私も殴られました。
兄も殴られました。

夜中ずっとケンカなので、寝れません。
兄にも包丁を向けて追いかけるような人でした。

私には
「お前なんかいらない。お前を育てるのにかかった金、全部返せ」
と言い続けてきました。

父親は7年前に他界しましたが、他界するまで暴力の人でした。

30年、暴力をふるう父親を見ていたことになります。

人間不信、男性恐怖症になりました。
父親を殺す夢を何度も見ました。
父親に殺される夢も何度も見ました。
殺されそうになったこともあります。

結婚してからも家を焼きに行くと言われたこともあります。

死んでから父親が愛着障害だったんだろうと分かりました。

父親には怒りしか感じませんでした。
失望もしました。
人はみんな信じられないと思っていました。

父親に「お前を育てるのにかかった金、絶対返せ!今すぐ働いて返せ!」と
言われ続けていたことは、父が死んだ今も忘れられません。

私が息子を産んで、父親から見たら可愛い孫なのに、
それでもカッとなると、孫に物を投げつけ孫が泣くまで怒鳴っていました。

トモさんの映画に出逢う前に
池川さんの本や江原さんの本に出会い、読みまくりました。

そして、こんな父親でも、私が選んできたんだと理解出来ました。

トモさんの映画のとき、トモさんの挨拶を聴いて、

「私と同じだ、親との仲が悪くて苦しんでいる人が作った映画なのだ」と
心が動いたことを覚えています。

トモさん自身にお会い出来たのがすごく大きかったです。
いろんな本を読んで理解出来ていたことが、
トモさんの映画で身体で分かった感じがしました。

この時にはすでに父親は他界していましたが、
やっとその時に父親を少し、少しだけ許せた気がしました。
愛着障害の方に出会ったとき、分かるようになりました。

私もその1人ですし、父親もそうだったからです。
父親は病気で弱かったので、
両親、家族に嫌われ、施設に入れられていた過去がありました。

父親はそれが強烈に辛かったのです。

死ぬ1年前は混乱して幼少期の話を何回もしていました。
父親は克服できないまま死にました。

私は父親のおかげで、
生きている間に何かをほんの少し気付けた気がしています。

(投稿者:匿名さん)

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★ 映画『うまれる』の体験談より
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