「海街diary」の是枝裕和監督にお会いしてきました!

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こんにちは、監督の豪田トモです。

「いつかお会いしたい!」と願っていた、
大尊敬する是枝裕和監督にお話を伺うことができました〜。

是枝監督といえば、

「誰も知らない」(2004年)
「花よりもなほ」(2006年)
「歩いても 歩いても」(2008年)
「そして父になる」(2013年)

などなど、名作をたくさんつくられている大先輩です。

昨年公開された「海街diary」(2015年)は、
カンヌ国際映画祭にも正式出品され、
主演の綾瀬はるかさんや長澤まさみさんと
レッドカーペットを歩いていらっしゃった姿は、まだ記憶に新しいですね。

僕たち夫婦も大好きな作品ばかりで、とっても尊敬しています。

さて、そんな是枝監督ですが、
元々はドキュメンタリー出身ですので、

これから劇映画に挑戦しようとしている僕は
参考にさせていただきたい事がたくさんありました。

いくつかお聞きした内容を皆さまとシェアさせていただきますね。

初めての劇映画「幻の光」(江角マキコさん初主演)を監督された時。

是枝監督は、
一旦、ドキュメンタリー作家としての手法を手放して
「劇映画監督らしい」フレーミングやアングルを計算し、
細かなカメラワークまで、絵コンテを描いて撮影にのぞまれたそうです。

ところが、
是枝監督が大尊敬していた、
台湾の巨匠・侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督が
来日したときに観てもらったところ、

「テクニックはパーフェクトだ。
 でも、カメラのアングルは、役者の芝居をみてから決めないといけない。
 ドキュメンタリーをやっていたのに、なぜ!?」

と、ガツンと指摘され。。。。。

その後は、自分の「出自」に向き合い、
ドキュメンタリーの作り方、考え方を
劇映画に活かした演出に方向転換されたそうです。

その一つ、特徴的な是枝演出は、

「台本を渡さずに口頭で演出をする」

こと。

もちろんすべてではないと思いますが、
「この人はこういう人で、、、」
「このシーンはこんな展開で、、、」と役者さんと話し合う中で
出て来た言葉をそのまま使われる事が多いのだそうです。

「台本にある台詞を読んでもらう」のではなく、
「物語の中で自然と言葉を紡いでもらう」という事のようです。

特に子どもたちを演出するときは、
オーディションの時も、
リハーサルの時も台本を渡さず、
状況を伝えることでその場で即興で演技をしてもらう事が多いそうです。

是枝さんの作品で子どもがいつも活き活きしているのは、
こういう独特な演出によるものなんですね。

また、
キャストが決まってから、彼らの声を聞いて、
「この人だったらこういう言い方の方が自然だな」
という感じで、脚本を役者の特徴に合わせて書き直していくとのこと。

役者さんが自然に見えるように様々な工夫がなされています。

是枝監督の自然な演出、リアリティのあるストーリー・テリングは、
映画作りの常識にとらわれすぎず、自分なりのやり方にこだわった結果、
なのですね。

面白いですね〜。

お話していただいた製作秘話はたくさんありましたが、
今日はこのあたりで!

是枝監督、とーーーっても優しくて、たくさんお話を聞かせていただきました。

これからは兄貴と呼ばせてもらおう!(笑)

最新作の「海街diary」のDVD&ブルーレイが
12月16日にリリースされたようですので、まだ観ていない!
あるいは、とっても良かったのでもう一度観たい!という方はぜひ★

実は、お腹が空く、映画です(笑)。

http://v.ponycanyon.co.jp/umimachi/

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是枝監督、ありがとうございました!
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