「日本の面白い娯楽映画」の金字塔になるだろう映画「天空の蜂」

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9月12日より公開予定の映画「天空の蜂」は
文句なく「面白い!」と思った、久しぶりの日本製娯楽映画でした。

「すべての原発を即時停止せよ」というテロリストの要求を呑まなければ、
8時間以内に原発の上空に飛ぶヘリコプターが落下し、日本が壊滅してしまう、、、
というストーリーは、

・あくびをする暇もないくらいの展開

・思わず「うわ!」と声を挙げたくなる見所の数々

・「自分だったら?」と思わざるをえない設定

・親として泣けてしまうドラマ

・説得力のある登場人物の背景の物語

・決して邪悪なだけでない、リアルな悪役のキャラクター

・最後の大どんでん返し(これは全く分からなかった!)

など、近年の日本映画には珍しいくらい、脚本がよーく練れています。

登場人物が多く、設定も複雑なこの膨大なストーリーを
見事なバランスで描き切った脚本は見事の一言
(印象に残る台詞もたくさん)。

原発派・反原発派のどちらも割と公平に扱おうとしているので、
大切な問題提起をしているけれども、

あくまで本作は娯楽サスペンス映画である事が分かります。

モチーフは原発ですが、反原発でも原発推進でもなく、
そのどっちつかずの日本国民の現状に対して、

「目を背けずに向き合っていこう」というメッセージには、
とても好感が持てました。

こういうアクション・サスペンス映画って
あんまり得意じゃない妻の朋子も

「めっちゃ面白かった!」

と言っていたので、

【老若男女が楽しみつつ、深く考えるきっかけになる映画】

じゃないかぁと思います。

「面白い娯楽映画」って、
「ダイ・ハード」にしろ「ターミネーター」にしろ、

家族を中心とした人間ドラマもキチンと描かれているものが多いですが、
本作は今後の「日本の面白い娯楽映画」の金字塔、スタンダードになる雰囲気すらあります。

数年後のハリウッド・リメイクはカタいでしょう。

一部、役者さんによって演技にバラつきがあるように感じたのと、
欲を言えば、主要な登場人物のキャラクターがもう少し立っててもいいのかな、
と思いましたが、全体的に演技もいいし、CGも素晴らしい出来。

2015年現在、
「原発」を物語の主軸に据える事は大きなリスクだったと思いますが、
そこに勇気を持って真っ向から取り組み、娯楽大作として昇華させた監督他、
スタッフの方々の熱意と行動力にリスペクトを表したいです。

【放射能は心配だけど反対運動はできない人
にとっては、政府に対しての無言の抵抗になる】

映画かもしれないですね。

・ハラハラドキドキしたい
・感動したい
・社会の事を深く考えたい
・役者の演技を楽しみたい

そのすべてに答えられる、近年稀に見る贅沢な和製娯楽大作です。
お見逃しなく!

★ 「天空の蜂」公式サイト
http://tenkunohachi.jp/

監督・父
豪田トモ

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