『うまれる』のDVDレンタルを出来ない理由

先日より
映画『うまれる』のDVD化に関するアンケートをさせていただいておりますが、

★ 映画『うまれる』DVD化に関するアンケートはコチラ
http://www.umareru.jp/blog/2014/03/dvd-7.html

おかげさまで数百件のアンケートをいただいております。

ありがとうございます!

ざっと目を通しますと、
ほとんどが

「DVD化して欲しい!」

というお声で、
僕らが思った以上にご希望が多いのだなぁと嬉しく思っています。

その中で数件ではありましたが、

「レンタルにして欲しい」

というお声がありまして、
普通に考えたら「そうだよね」と思うのですが、

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『うまれる』のDVDについては、
「販売」させていただく可能性はあるものの、
「レンタル」には出来ない
=====================================

という事情があります。
その点についてご理解いただければと思い、今回、ご説明をさせていただきます。

【『うまれる』のDVDをレンタルに出来ない理由1. 自主上映会と共存できないため】

まず一つ目の理由が、
僕たちは

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映画をご覧いただく基盤を、
「地域を超える! 人がつながる!」というコンセプトで進めている
自主上映会を中心に考えたいと思っておりまして、
DVDのレンタルを開始すると、この自主上映の運動が壊滅してしまう
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という点です。

自主上映会の平均的な入場料は1,000円です。

そこに100円〜350円で借りられてしまうレンタルを解禁すると、
「上映会をやろう」、「上映会で地域とのつながりを持とう」と考えられる方は
激減してしまいますし、

値段的な違いから、
上映会よりもレンタル屋さんに足を運ばれる方も増えるでしょう。

一人もしくは二人でご覧いただくのもありがたいのですが、

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自主上映会はレンタルでは実現できない人のつながりや癒し、
刺激に満ちあふれていて、開催される方によっては夢の実現でもありますので、
それを無くしてしまうのは、『うまれる』を生み出した「親」の立場としては、
選択するのが難しい
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ところです。

実際にアンケートでは
「レンタルにはしないで欲しい」というお声が圧倒的でした。

思った以上に僕らの思いが伝わっていると、
嬉しくなりました。
ありがとうございます。

【『うまれる』のDVDをレンタルに出来ない理由2. 経済的な危機に陥るため】

二つ目の理由は、
正直に申し上げると、経済的な問題です。

あまりお金の話をするのは好きではないのですが、
今回はしっかりとご理解いただきたいので、頑張って書かせていただきます。

自主上映会を開催いただいた場合、
僕たちは【来場者お一人につき500円】をご請求させていただいております
(ありがとうございます!)。

これによって僕たちは

・上映会の運営・サポート
・ブログやFacebook、メルマガ等での情報発信
・次回作シリーズの製作・宣伝

などを実現させていただいておりますが、

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DVDレンタルにした場合、僕らに戻ってくるお金
は一枚につき20〜30円となり、価値が1/20になってしまう
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可能性があるのです
(作品によって率は若干異なります)。

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DVDレンタルをするという事は、
事実上、僕らの活動を停止せざるをえない
大きな「損失」になりえてしまう
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のです。

なぜ、
このような条件になっているのかと言いますと、まず、

【DVDレンタルの単価自体が低い】

という点があります。

・映画館での鑑賞料金は1,500円前後、

・自主上映会では1,000円程度

ですが、

某レンタルショップさんでは

・新作が350円前後、

・4枚借りれば1,000円というサービスもあり、

・旧作だと100円

というのがだいたいの相場です。

手軽に観れてありがたい反面、
この

【負担のしわ寄せは、ほぼ作り手が背負っているのが現実】

になっています。
そして、この少ない元手から、

・レンタルショップさんが約50%

・レンタルショップさんへ卸す会社さんが残りの20〜80%

・DVDの盤面やパッケージ、メニュー画面などを作る会社さんが残りの20%

を手数料として請求されるので、
最終的に映画を製作した人たちに戻る金額は

平均的に20-30円になってしまうという事なのです。

さらに、

【この金額も最初の一年しか入ってこない】

のです。

レンタルを開始してから二年目以降は、
すべてレンタルショップさんの収入になり、作り手には戻ってきません。

現実的に「古い」映画を観ようという方はあまり多くいらっしゃらないので、
DVDそのものは急に価値がなくなり、「在庫化」してしまいます。

レンタルショップさんにとっては、
「スペース=売上」に近いものがあるので、

「販売元に返却しても良いけれど、無料だったら置いておいても良い」
とシビアな決断をせざるをえないようです。

僕はこのシステムに対して、
異論を唱えるつもりはありませんし、不平不満も持っていません。

(これらの文章がグチっぽく聞こえていたらすみません。
その意図はまっっったくないです)

実際、僕もこの金額でDVDをレンタルさせていただいていますし、
この金額でなかったら観ていなかった映画もたくさんあります。

映画が手軽に観れるようになったけれど、
携帯やゲーム、ネットなど他の「競合」もたくさんありますので、
【市場原理によって、自然とこういうシステムになっていった】わけで、

それを僕がどうこう言うつもりはないです。

人生と同じく、
与えられた環境の中で頑張るだけです。

その中で、
僕らは命・家族・絆の映画を作り続けるというミッション・夢があるため、
色々な事を真摯に検討し、その決断の一つとして、

「DVDレンタルは出来ない」

という結論に至りました。

ただ、
DVDの「販売」は自主上映会と共存できる可能性があるのではないか
という意見も多々あり、現在、検討させていただいているところです。

★ どのようなDVDにすべきか、値段はいくらにすべきかなどもアンケートさせていただいています。
http://www.umareru.jp/blog/2014/03/dvd-7.html

そこで皆さまにプチお願いです。

【1. 映画はなるべく映画館で観てください。】
→価値が高いので人生をかけてリスクを背負っている作り手には非常に助かります。

【2. DVDでレンタルする場合はなるべく一年以内に借りてください。】
→前述のように、二年目以降は作り手の収入になりません。

【3. どの事業でもそうですが、「割引」、「セール」というものは誰かが負担をしている事をご理解ください。】
→それは大抵の場合、リスクを賭けて生み出した側になっている事が多く、
場合によっては従業員の方々の給与や手当として影響を受けていたりするので、

【「やったー、安い!」の裏側には悔し涙を流している人が】

いたりします。

そしてそれは、大抵の場合、
皆さまか、皆さまの旦那さまだったりしている可能性が高くあります。

出来るだけお安い金額で映画を観たいというお気持ちは
重々、理解いたしておりますが、

2040年まで命・家族・絆をテーマにした活動を続けるため、
何卒、皆さまにはご理解とご支援のほどをよろしくお願いいたします。

監督・父
豪田トモ

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