体験談より「不妊治療は自分を愛するための時間」

結婚して3年経っても妊娠せず、

病院に行ったところ「両卵管閉塞」で自然妊娠はできないと言われました。

目の前が真っ暗でした。

私には体外受精しか方法はない、なんで私がこんな目に?と自分を責め、
現実を受け入れられずにいました。私が私を許せなかったのです。

でも夫が「今、自分たちにできることをしていこう」と、
一言も私を責めることなく、ただ一緒に前を向いてくれました。

両親も「出来ることをやろう。それで結果がどうでもいいじゃない。」と言ってくれました。
夫の両親も優しく見守ってくれています。
本当に本当に有難くて、家族の愛をたくさん感じました。

「私は昔だったら子どもを持てずに一生暮らしたんだよなあ」

とぼんやりと言ったことがあります。すると友人が、

「この治療をするために、今の時代に生まれてきたんだと思うよ」

と言ってくれました。

私がこうして今の治療が発達したこの時代に生きているのも、
意味があるんだなあと思えるようになりました。

そして、昨年5月から初めての体外受精を経験。
育ってくれた受精卵は5つ。

自分の体内では決して出会うことのなかった、
最愛の夫とのかわいい卵がいてくれる事実。
今までは治療をすれば、必ず受精卵は授かることができると思っていました。

でもそうではなくて、卵子がいくつできて採卵できるかも、
そして受精するかしないか、受精してもそれが体内に戻せる段階まで育ってくれるか、
全てが神様の仕事なんだと知りました。

人間ができることは本当に一部で、
不妊治療は「神の領域を侵す」なんて言われることがあるけれど、
全くもっておこがましい無知な人間の意見です。

だって、私たちには何もできないから・・・。

採卵後の初めての胚移植(受精卵をお腹に戻すこと)。

初めてお腹の中に私たちの赤ちゃんが来てくれた感動は、言葉にならないくらいでした。

ただ幸せで・・・でも不安感も大きくて、悪いことも考えてしまいました。

判定は陰性でした。

妊娠には至らなかったけど、受精した瞬間から私たちの子どもでした。
おなかの中で命を繋いであげられなかったことが、悲しくて悲しくて、また自分を責めました。

2度目は凍結した受精卵を移植しました。

2度目は期待しながらも、前回の陰性だったときの辛さ、悲しみが怖くて、
期待した分ダメだったとき傷つきたくなくて「ダメなこともあるよね」と
不思議な精神状態で挑みました。

期待したいのに、期待するのが怖い。

2度目も陰性でした。

私はしばらく治療を休むことにしました。もう心がボロボロでした。
受精卵を命として繋いであげられないことの責任の重さ。

本当につらかったです。

この休養中に出会ったのが、池川先生の「おなかの赤ちゃんと話せる本」です。

赤ちゃんは赤ちゃんのタイミングで来てくれる
という言葉に心から救われました。

今までずっと「自分が至らないせいで妊娠できなかった」と思っていたから。
胎内記憶や魂の話が、少しずつ、心の鎖を解いていってくれたのです。

来月から、凍結卵移植に向けて再始動しようと思っています。

やっぱり不安定になるし、怖いし、期待してまた傷つくのが怖いし、
どんな精神状態でいったらいいのかわかりませんでした。

本当に私は赤ちゃんが欲しいと思っているかさえ、分からなくなっていました。

そしてこのタイミングで映画「うまれる」を観ることができました。

観て本当によかった。私はやっぱり自分たちの子を産みたいと、そう思いました。
不安はあるけれど、自分を、赤ちゃんを信じて、強くなりたいと思います。

夫も何も言わず、ただ味方でいてくれます。
この人が夫でよかったと心から思います。

この不妊治療の期間は、自分を愛するための時間だと思っています。
全てを受け入れていきます。

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映画『うまれる』の体験談より
http://www.umareru.jp/experience/315-all-comment-t.html

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