福岡の18歳&16歳カップルの取材

企画・監督のTOMOです。

「16歳の妊婦さん」に会いに4日ほど福岡に行っておりました。

18歳のパパと16歳の妊婦さん、そして妊婦さんのお母様とお会いしたのですが、残念ながら、今回はドキュメンタリー撮影を進めない事になりました。

理由はいくつかあるのですが、

出産のタイミングはいつやってくるか分からないもの。いざ、出産となっても間に合うか。。。種々の撮影条件が厳しく難しいと判断いたしました。

でも、実は大きな理由は妊婦さん。

妊婦さんの方は元々、乗り気ではなかったんですね。
東京で18歳のパパと電話でやりとりしていた時は「撮影も全然オッケー!」と聞いていて、彼は子どもが生まれることがとても嬉しくて、映画という媒体を通じて、いろいろなメッセージを伝えることに意味を見いだしてくれており、ぜひ協力したい、と思ってくれていました。

しかし、実際は妊婦さんの方は映画に出たいと思っておらず、少し意識の違いがあったみたいです。

彼自身、初めて信じることができた人が、この16歳にしておなかに赤ちゃんがいる女の子だったそうなのです。

僕らの話を聞いて妊婦さんもかなりやる気になってきていたみたいですが、やはり積極的にはなれないようでした。

実は、妊婦さんはいじめにあった事から既に高校を退学しており、その事が遠因となって人間不信となって、僕らとコミュニケーションを取る事がストレスになってしまっているようにも思いました。

時間があり、距離的に近ければ良い関係を築かせていただけるとは思うのですが、、今回は難しいなぁと判断。

会談後も、「撮影する・しない」でお2人が喧嘩してしまっているようで、「妊娠中からのハッピーなパートナーシップ」を支援したい僕らとしては本末転倒。

16歳の女の子が「産む」という決断をしたのは、大きなメッセージになると思ったのですが。

僕らは乗り気でない相手を無理に撮影するという事はしたくないので、今回は中止にしようと決断しました。

ドキュメンタリー作家の中には、

「良いドキュメンタリーを撮るには人間の嫌な部分も出さないといけない。そのためには作り手が嫌な奴にならなければならない」

という考えを持たれている方もいらっしゃいますが、僕らはこの考え方を支持していません。

基本的に撮らせていただく方が嫌な事はやらない。
撮られていく中で新しい自分を見出していただいたり、新たな気づきと学びを得ていただく事を理想としています。

映画を見てハッピーになってもらいたいのに、撮る人と撮られる人がハッピーじゃなかったらダメだと思うんですよね。

福岡の若いお二人の撮影が出来ずに残念でしたが、素晴らしい赤ちゃんが産まれる事を心から祈っています。


(企画・監督:TOMO)

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コメント(1)

私も16歳で、もうすぐ妊娠7ヶ月です。
彼も福岡の男性と同じく、18歳です。
この記事を読んで、とても嬉しくなりました。
10代の妊娠や出産に対して、世間はとても冷たいです。
あることないこと言われます。
TOMOさんの映画で、少しでもなにかが変わればいいなと思います。
きっと勇気がもらえると思うんです。
すてきな映画を作ってください。

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